ご主人は長期の海外出張のため、心配ごとも相談できず、受験を控える二人の子どももあって、彼女一人で毎日戦っていました。やがて、極度の心労が、彼女を過食に走らせたのです。過食とともに、手足中びっしりと偏平のイポができ、正視することもできないありさまになってしまいました。いくつかの病院を回りましたが、これといった効き目はありません。そのうち、手足のしびれやひどい頭痛に悩まされ、地獄の毎日だったのです。ある本で、イボにはハトムギのエキス錠剤が効くということを目にし、彼女はそれを毎日きちんと飲んでみました。それでも効果はありません。彼女は考えました。こんなふうに自分が生活に疲れてしまっては、病気の子や、受験を控える二人の子の将来はどうなることか。彼女は勇気を奮い起こし、ある日狂ったかのように家の中を片付けだしました。つかり「あの時、私というものをなくしたかったの、あまり辛くて……めちゃめちゃに働いて体を動かせば、私の中の地獄の塊りも溶けていくような気がして……」今、見違えるように元気になった彼女は、そう回想しています。彼女には外に出てフィットネス運動をしたり、気楽にみんなとお茶を飲むという時間もお金の余裕もなかったのです。だから、家の中を徹底的に整理整頓して、ピカピカに磨き上げていったのです。食事が終わっても満足感がなく、食べたい衝動が襲いかかってくるやいなや、死にものぐるいで家事にとりかかったそうです。